「どうするの?神子様と知って怖気ずいて、計画を中止にする気?」
「いや、それは・・・」
完全に男はひるんでいる。

「この子は白蓮よりも特別な子。高貴な血と、神の御加護を併せ持った命。この子なら世界を変えられるかもしれない」
独り言のように女はつぶやく。

この女、何者だろう。
透き通るように真っ白な肌は私に似ているし、髪は漆黒。
そしてなによりも目を引くのは金色の瞳。
こんな目をした人は見たことも聞いたこともない。

「罰が当たらないだろうか?」

「はあ?たとえ神子様だろうと農家の娘だろうと、人の自由を奪い傷つけようとする行いは神に反すもの。わかっていたことでしょう?」
何を今更と女が笑う。

「それはそうだが・・・」
難しい顔をした男はその場に座り込んだ。