お母さんを気遣って白蓮と志学がお母さんの側についている。
八雲とお父さんは夕食の片づけをするからと、外へ出て行った。
ここに残ったのは私と尊と宇龍と石見。

「それで、これからどうするつもりですか?」
この中では一番の年長者である宇龍が、尊に問う。

「とりあえず、行くしかないだろうな」
「はあ?」
無意識に声が出ていた。

それはその、私が白蓮の代わりに行くって意味よね。
そりゃあ覚悟はしていたけれど、尊ならもっといい提案をしてくれるかと・・・

「何かいい策があるのですよね?」

「なくはないが、どちらかと言うと行くしかないって感じだな」

ほかに道はないってことか。

「稲早、大丈夫か?」
不安げな表情をした私の肩に、尊が手をのせる。

「うん」

大丈夫ではないけれど、やるしかない。
このままじゃ白蓮の身が危ないんだから。