きっぱりと。
私に憧れを抱くような目を向けつつ、そう言い切った。


なぜそれを今私に伝えてきたのか。
"可愛い子は甘えてる"なんて、結構な偏見を口にして、可愛い子達から怒られるぞ。
私を美化しすぎなんじゃないのか。


言いたいことは山ほど出てきたが、どれも言葉にならず、私の心の中で消えた。


あとになって打ち解けてきた頃に、なんであのとき私に話しかけてきたのかを聞いてみたが、本人曰く、


『テレビの星座占いが一位でラッキーアイテムが本だったから』


と、嘘か本当かよく分からないことを言われた。
嘘だとしてもきっと、"そういう気分だった"か何かなのだろう。
彼女はそういう読めないところもある。

そこもまた彼女の魅力の一つなのだが。


『私は、可愛いだけの結城さんよりも、かっこいい結城さんの方が好きだな』


彼女は微笑みを浮かべながらさらに言葉を続けて、唯一私を理解してくれる人となり……救ってくれた。


可愛いから価値がある、と毎日言われる日々の中で。

可愛い以外の私にも価値があると言ってくれた。

可愛いよりもかっこいい方が好きだと言ってくれた。

その言葉にどれだけ救われたか。


まだ、素の自分をさらけ出していたとき。
周りが何を言ってきても彼女がいたから、私は頑張れたのだ。


そして今も。
私が仮面を被り続けられるのもまた、彼女がいるから。


親友の存在は大きく、感謝してもしきれない。