「あの…お父さんが何かしたんですか?」


ジリジリと近づいて来るお兄さんに、腰を引き気味に後ずさる私。


「うん?あーまぁね。
でもおねーさんが頑張ってくれれば、なんとかなるかもしれないよ。」


私の全身を舐めるように見つめた後、顔にたどり着いた視線が私の瞳に突き刺さる。

お兄さん、恐いです…。めちゃめちゃ恐いです…。



鋭い視線に射抜かれてしまうんじゃないかと、本気でおもったその瞬間、


「おい、響。てめーはなぁにやってんだ。
ガキなんてほっとけよ。」


見るからにヤ◯ザって感じのお兄さんがもう一人、ゆっくりと階段を上がってきた。



「アニキ!沢柳の野郎帰って来ねーんすよ。」


すると目の前にいた“響”と呼ばれた男は、私からスッと離れ階段を上がってくる男のもとに駆け寄った。