さて、思い出してみよう。
ウィズラブでのジャンクはどんな立場だっただろうか。

国を乗っ取ろうと企む魔女によって拐われてしまったシャルロットを愛の力で助け出すんだけど、その魔女というのは実はジャンクのお母様だったという衝撃的事実が展開された。だけどその辺の描写は意外と薄くてあまり詳しく描かれていなかったけど、とにかくジャンクのお母様が魔女だったというのは確かだ。

この世界でも物語通りジャンクのお母様は魔女なのだろうか?
これは確かめる必要がある。

物語上、ジャンクのお母様はシャルロットを人質とした。今のところジャンクのお母様とまったく接点がないどころか見たこともない。どういう人物かわからない。


翌日、さっそく図書館へ向かった。
いつも通り整理を手伝ったり読書をしたりしていると、ジャンクがやってきた。
よし、情報収集開始だ。

「ねえ、ジャンクはどうして書士になったの?」

「うん?国のために働きたかったからだよ」

「そうなの。ご両親は何をしている方?」

「シャルロット、今日はやけに積極的だね?」

ジャンクはにこりとしながら私を見つめる。
私はギクリとしながらも適当な言い訳を口にした。

「え?そ、そう?記憶がないから、ジャンクのこともっとよく知りたくて。ダメかな?」

しおらしく首を傾げると、ジャンクは私の手を取って笑顔になった。

「全然。嬉しいよ!」

あ、ごめん、ジャンク。
勘違い……しないでね。

気をよくしたのか、ジャンクは自らいろいろと話をしてくれた。