パタンと閉まる扉に背を預け、ずるずるとその場にしゃがみこんだ。
ああ、またケンカしてしまった。

私は頭を抱える。
ケンカしたいわけじゃないのになあ。
どうにも上手くいかない。
何だか自己嫌悪だ。

「はあーーー」

無意識にため息が出てしまった。

だけどアズールがあんなに頭でっかちで冷たいやつだとは思わなかったな。ちょっとショックだ……。

でも待てよ?
それは私にとってアズールは推しだから?
推しフィルターがかかってたってことだったり?

うーん、現実は厳しいや。
ん、現実?
ここは夢?

ああ、よくわからない。
私の立ち回りで夢小説みたいにするぞなんて決意したわりに、今のところ全然良い展開になっていない。むしろジャンクと良い展開になっちゃってるし。これだと小説通りになってしまうのでは?

ああ、何を間違えたんだろう。
自分の書く夢小説がいかに夢かよくわかるよ。
この状況が、もどかしくてたまらない。

私はジタバタとベッドの上を転がった。
無駄にふかふかのベッドだけが私を優しく包み込んだ。