そんな日々を送って早数年。
一度部署異動はあったものの、変わらずここで働き続けていられることに感謝している。ただしお給料は変わらないけど。
「笠原さん、聞いた?松島さんご結婚されるんですって。良いご縁があってね、お相手の方の転勤に着いていかれるそうよ」
「じゃあお仕事辞めちゃうんですか?」
「専業主婦になるみたいよ。旦那さんが稼げる人だといいわよねぇ。ふふふ、次は笠原さんの番かしら?」
「ん?」
「結婚のご予定は?笠原さんもそろそろな年じゃないの?」
「あー、私は本が恋人ですからねぇ。あはは」
「またまたー」
明るく笑ったものの、自分は出会いさえないまますでに二十六歳。ついにアラサーを迎えてしまっている。
別にそのことについて焦ったことはない。
だって私には大好きな本があるから。
本が恋人なの。
好きな本の二次創作、しかも夢小説を書くのが私の趣味でもある。実は夜な夜な妄想に耽り、せっせと小説を書いているのだ。
自分の書いた文章でドキドキ胸キュンして満足感を得る……うん、幸せだ。
一度部署異動はあったものの、変わらずここで働き続けていられることに感謝している。ただしお給料は変わらないけど。
「笠原さん、聞いた?松島さんご結婚されるんですって。良いご縁があってね、お相手の方の転勤に着いていかれるそうよ」
「じゃあお仕事辞めちゃうんですか?」
「専業主婦になるみたいよ。旦那さんが稼げる人だといいわよねぇ。ふふふ、次は笠原さんの番かしら?」
「ん?」
「結婚のご予定は?笠原さんもそろそろな年じゃないの?」
「あー、私は本が恋人ですからねぇ。あはは」
「またまたー」
明るく笑ったものの、自分は出会いさえないまますでに二十六歳。ついにアラサーを迎えてしまっている。
別にそのことについて焦ったことはない。
だって私には大好きな本があるから。
本が恋人なの。
好きな本の二次創作、しかも夢小説を書くのが私の趣味でもある。実は夜な夜な妄想に耽り、せっせと小説を書いているのだ。
自分の書いた文章でドキドキ胸キュンして満足感を得る……うん、幸せだ。