「シャルロットは本が好きなんだね」

「うん、大好き。ここに住みたいくらい」

「ああ、わかる。本に囲まれる生活って憧れるよね。僕はここで働けてすごく楽しいよ」

ジャンクは屈託なく笑う。
その気持ち、図書館司書として働いていた私にはよくわかる。例えそれが非正規社員だったとしても、自分のやりたい仕事に就くというのはやはりやりがいがあるものだ。ジャンクがとても羨ましく感じる。

「ねえジャンク、私この図書館の蔵書の管理方法を見直したいと思っているの」

「管理方法?」

「今は分類ごとに分けて並べられているよね。それをもっと細分類化すると、探す方も整理する方ももっと便利になるんだよ。それをぜひ実践していきたいと思っているんだけど、どうかな?」

「なるほど。その話、もっと詳しく聞かせてくれる?」

ジャンクは親身になって私の話を聞いてくれ、私も話を聞いてもらえるのが嬉しくて自分の考えをどんどん話した。

気付けばずいぶんと時間が立っていたようだ。

「シャルロット、この話は上官にも伝えてみるよ。また明日会える?」

「もちろん。またよろしくね」

ジャンクは軽く手を振り仕事へ戻っていった。
この後腐れなさもあっさりとした引き際も好感度が高い。

私は気分よく、もう少しだけ読書をしてからまたこっそりと城へ戻った。