図書館は思ったよりも大きく立派な建物で、ギリシャの神殿のような重厚な造りに似ている。庶民に開放されている施設だが、訪れる人はそれほど多くはないようだ。
ひとたびそこに足を踏み入れると、独特な香りがほのかに鼻をかすめた。私はそれを思い切り吸い込む。
インクの香り。
紙の香り。
ああ、図書館だ、落ち着く。
ところ狭しと本が並べられ、それは天井まで続く。見渡せば圧巻だ。
ウィズラブの世界にもこんな立派な図書館があったなんて、驚きと感動で胸がじんとした。
「これ、勝手に見てもいいの?」
「ああ、ここは自由に使っていい場所だ」
私は適当に目についた本を手に取った。
装丁が重厚で綺麗な装飾が施されている。その他の本を見てみてもこれが一般的なもののようで、単行本のような軽い本は皆無のようだ。
文字は日本語とは違う。
だけどなぜだかすんなりと読むことができた。
「アズール、私文字が読めるわ!」
「文字は忘れていないようでなによりだ」
アズールに冷静に突っ込まれ、思わず苦笑いした。
そうだった、私の見た目はシャルロットなんだった。アズールにとってシャルロットが文字を読めるのは当たり前のことだ。
ではなぜ菜子である私がこの世界の文字を読めるのか。シャルロットの記憶は全くなくても、シャルロットの能力は引き継がれているのだろうか。そうだとしたらラッキーだ。
ひとたびそこに足を踏み入れると、独特な香りがほのかに鼻をかすめた。私はそれを思い切り吸い込む。
インクの香り。
紙の香り。
ああ、図書館だ、落ち着く。
ところ狭しと本が並べられ、それは天井まで続く。見渡せば圧巻だ。
ウィズラブの世界にもこんな立派な図書館があったなんて、驚きと感動で胸がじんとした。
「これ、勝手に見てもいいの?」
「ああ、ここは自由に使っていい場所だ」
私は適当に目についた本を手に取った。
装丁が重厚で綺麗な装飾が施されている。その他の本を見てみてもこれが一般的なもののようで、単行本のような軽い本は皆無のようだ。
文字は日本語とは違う。
だけどなぜだかすんなりと読むことができた。
「アズール、私文字が読めるわ!」
「文字は忘れていないようでなによりだ」
アズールに冷静に突っ込まれ、思わず苦笑いした。
そうだった、私の見た目はシャルロットなんだった。アズールにとってシャルロットが文字を読めるのは当たり前のことだ。
ではなぜ菜子である私がこの世界の文字を読めるのか。シャルロットの記憶は全くなくても、シャルロットの能力は引き継がれているのだろうか。そうだとしたらラッキーだ。