「雫ちゃんは、年齢を重ねてもずっと魅力的なままだ」


「そんな…もう若くないし、おばさんになったから…」


「おばさんでも、おじさんでも、魅力が無い人もいる。でも、雫ちゃんにはちゃんと年齢に合った魅力がある。いつまでも…美人だし」


「い、いやだな、慧君。からかわないで」


「からかってなんかない。本当に…綺麗だ。俺の中では雫ちゃんより素敵な女性は存在しないから」


大人になったその渋さ、少し影のある表情にグッとくる。


「恥ずかしいよ、本当に」


「雫ちゃんが結婚する前、俺は榊社長に百貨店に卸す小麦粉のことで会ったんだ。その時『雫ちゃんのこと頼みます。必ず幸せにして下さい』って…お願いしたんだ」


「そうだったの?」


それは、祐誠さんにも聞いたことがなかった。


「うん。榊社長は『任せて下さい。雫さんは何があっても私が守りますから。必ず幸せにします』って、そう言った」