「果穂ちゃんもママに?」


「うん。だからさ、あの子も努力したってことを慧君は知っておかないとね。やっぱり…好きな人と一緒にいられないって、すごくつらかったと思うんだ。きっと、忘れようとしてずいぶん苦しんだはずだよ」


「…はい」


本当の母親に諭されたみたいに、慧君はうなづいた。


果穂ちゃん、ママになったなんてすごいよ。


本当にみんな、新しい人生を一生懸命歩んでるんだ。


楽しいこと、つらいこと、それぞれにいろんなことを乗り越えて今がある。


そして、これからもまた…


私が祐誠さんを選んだように、果穂ちゃんがその人を選んだように…


人生の新たな章を自分自身で作って進んでいくんだ。


途中、それがどんな展開になったとしても、それは全て自分が選んだ道。