「あれからしばらく慧君のこと追っかけてたし、北海道にも来てたみたいだけど…でも、キッパリあきらめて、就職した先の同僚と結婚したんだよ」


「そうなんですか?」


果穂ちゃん、結婚したんだ…


「俺をあきらめたんじゃないですよ。いい加減飽きられたんです。果穂ちゃんに言われました。同僚に、俺よりイケメンがいたからって」


慧君が苦笑いする。


「私、1度見かけたんだよ。果穂ちゃんが彼氏と2人でいるとこ。こんな言い方失礼だけど…彼氏さん、優しそうな人だったけど、決してイケメンさんではなかったよ。あの子、本当はずっとずっと慧君のことを忘れられずにいたんだろうね。でも…もう踏ん切りつけないとって、自分から身を引いたんだと思うよ」


果穂ちゃん…


「慧君のためなのか、自分のためなのか。それはわかんないけどさ。最後に慧君に『イケメンの彼氏ができた』って…そう言うことで、全部忘れようと頑張ったんだよ。まあ、果穂ちゃんもママになったし、今はその人と幸せなんだろうけどね」