「はい。そうですね、お互いに…」


その時、慧君も会話に入ってきた。


カメラマンは終わったみたい。


「ごめんね、慧君。ありがとう」


「いや、全然大丈夫。俺の親戚もみんな喜んでたよ。本当、アイドルみたいだな」


祐誠さんは、まだ女性達に囲まれてる。


ちょっと妬けるけど…


こんなことは普段から慣れっこだから。


正孝の学校でも、祐誠さんのママ人気は半端ない。


参観日や運動会に行くだけでキャーキャー言われて。


私に対して申し訳なさそうな顔をしてるのを見ると、ちょっと可哀想になる時もあるくらい。


でも、祐誠さんは周りの空気を読んで、ママ友やパン屋のお客様なんかには、ちゃんと嫌な顔をせず対応してくれてる。


私や正孝のためだろうなって思う。


それに、私が不安な気持ちにならないか心配もしてくれて…


『雫の目の前で他の女性と話したり、写真を撮ったりしても、俺が大切なのは雫だけだから。それは絶対に忘れるな』って、優しく言ってくれるんだ。