俺は思わず右手を見た



確かに左手と比べると右手の方がへこんでいる


そんなの自分じゃ気づかなかった


「……何してる人なの?」


美優子さんは軽蔑した目で俺を見る


「……いや、何も」


「人を傷つけてどう思ってんの!」


「………」




あーーうぜーな説教かよ



「なんだよ、今日会ったばっかのやつに言われたくねーんだよ!」


「こらこら、今日会ったばっかで言い合いはやめろお前たち」



リダが仲介に入る


しかし俺はまだ足りなかった



「俺だってな……こんなことしたくてしてるわけじゃねーんだよ」


「じゃあやめればいいじゃん」


何も知らない美優子さんがまたそんなこと言う