「じゃあお前は俺が学校だって知ってて電話かけてんのか?」


『うるさいな、そんなことは何でもいいんだけど』



わがままなやつだな


「んでなに?何の用?」


『ああ、違ったら別にいいんだけどさ
樹希が暴走族に入ってるって噂が耳に入ってきたからさ』



あぁ、やばいなこれ


「いや?入ってないけど」


『だよねー直樹との約束もあるし
樹希がそんなことするはずないと思ってたよ』


直樹とは俺の兄貴の名前だ


「………そうだな」



俺は兄貴との約束はもう1つあった



それは"悪さだけは絶対にしないこと"


そう、兄貴が居なくなったことで俺はこの約束も破ってしまっている



『なら安心したよ』


「おう、大丈夫だ」



姉貴にも嘘をついてこの時は逃れた



あぶねーー



けど、俺もいつまでもこんなことしたくないんだ