「あれ。なんだっけ、えっと、朧月??」

ピン、と指さした蘭。

そっちを見ると、微かに月が見えた。


「春だし、霧がかってるし、朧月だよね」


「ふーん……」

やけに綺麗だな……。

蘭を見ると、ウィッグは外されて綺麗な髪が艶をたててる。

その横顔に、胸が高鳴った。

これは……誤魔化せねぇ気持ちなのか?


「あ!優心今の見た!?綺麗な流れ星!」

パァっと笑顔になって、無邪気にそう言う蘭。

ドクンッ……!