「私たちの父親違いの妹の写真。これだけ、持っててほしいってさ。相変わらず、自分勝手だよね。自己満じゃん」

美雪が口を尖らせ不満げに言う。私は封筒を開けてみる。スマホであのとき見たのとは別の妹の写真が入っていた。
小学校中学年くらいだろうか。“みう”と言ったっけ。私と美雪の名前の一番上の字からつけたなら、今のご主人への配慮が無さ過ぎて笑ってしまう。
母はどこまでも勝手な人だ。だけど、私と美雪を、このみうと同じくらい愛していたことは間違いないのだろう。

「この子に罪はないからね。もらっておいてあげましょう」
「まあね、お姉ちゃんにすごく似てるし、私も写真捨てらんないわ」

そう言って私たちは少し笑った。