そしてそのまま、彼女の細い顎をクイっとあげ、キスをした。



はじめて触れた莉桜の唇は甘くて柔らかくて、理性を保てなさそうだった。



キスなんてずっと前からしてるはずなのに。いままでのキスとはまるで違った。



俺には物足りなく感じたが、自然と唇が離れる。



少し離れて彼女を見ると、顔が真っ赤なのが分かった。



「…顔、真っ赤」



「…分かってるよ」



そっぽを向く彼女がかわいくて、またキスしたくなる。



はじめてのときも、勃っ…興奮しちゃったみたいだった。



なんでこんなにも不慣れみたいなんだ…?と疑問に思う。



いつもは俺がリードしているはずなのに、形勢逆転じゃないか。



それがちょっとだけ悔しくて、でも新鮮で嬉しくて。



最初はそんな感じで、自分でも驚くほど全く普通だった。



やっぱり彼女(おさななじみ)だったからこそ、大切にしていきたいと思ったのだろうか。



でも、付き合って一年経つか経たないかの頃には、会う機会が徐々に減っていった。


俺は死にそうでたまらなかったのに、彼女は普通そうでムカついた。



だから、LINEで「別れる」と送った。



それを送ってから、指が震えてきた。