少し間をあけて
“そっか、よかったじゃん。”
これが精一杯でした。
“あ、でも、ごめん、
母さん呼んでるから
また、会ったとき聞かせて”
と、なるべく、明るい声を意識して
伝えました。
その後、泣きました。すごく。
一応、それが、はじめての失恋です。
……あっ。
すみません、ベラベラと…
なんか、話しやすくて…つい…”
カレは、その時の感情も、
思いだし、時々、
涙を浮かべながら、
話していた。
それを見られたくないのか
うつ向き気味に、
話をしてくれた。
そして、カレは話を終えると、
我に返ったかのように、ハッと顔をあげ
私を困ったような顔で見た。
“…どう、して…”
《…えっ》
私は、終始、黙々と聞いていたが
話が終わる瞬間に、ようやく
両頬に涙が伝っていたことに気づいた。
《…あ。ごめん。これは、
同情とかじゃなくてさ、
なんだろね、なんなんだろうね…ははは…》
私は、頬を両手で触れポンポンと
叩き、無理やり、声を出して笑った。
ーお待たせしました。
こちら、オムライスとおじやです。
おじやですが、器の縁の部分が大変
お熱くなっていますので…ー
さらっと、アナウンスのように
話す定員さんの言葉に
心地よさを感じた。
現実に戻されたような間隔…
不思議だった。