カレは、私をじーっと見つめ、


“率直に言うと、なりたかったです。あ、
ボクは、同性を好きになるんだと思ったし
そういう人生を歩むっていう覚悟が
出来ました。
特に、この時、失恋をして、
中学生が始まる、一番、
多感な時期でもあったので、
悩みつつも、その道を考えていました。
でも、それは自分の中だけの話なんです。”

《…うん……ん?自分の中…?》

“はい。中学生の時に、はっきりと
自覚して、
どんどんと自分のなかにあった何かが
覚醒し始め、そして、衝突しました。”

《え?なにと?》
淡々と話すカレに、私は、戸惑った。

カレは、困ったような顔をして
呟くように話始めた。