焼肉の席も委員長権限で私と同じテーブルがいいからクジを先に引いておくかと冗談を言ってたがそこはちゃんと私達2人は最後にクジを引いた
そして席は離れた
全員集まっての打ち上げは焼肉90分食べ放題で終わり、二次会の予約も入れていたが……
海斗くんにお金を渡した時に、手が熱かった
「店が暑いからだよ、前、菜々美もそうだっただろ?」
ちょっとごめんねと菜々美は背中から手を入れた
2人の熱の面倒を散々見てきている菜々美だ
のぼせる熱さとは違うと思った
明日香と崎山くんを呼び、海斗くんが熱があることを告げて二次会を仕切ってもらうことにして菜々美は海斗を家まで送ることにした
「クシュン!」
「ほら、風邪だよ」
「たいしたことないよ」
「疲れが出たんだよ」
「んー、女装して足だしたからかな、女子ってスカートの中スースーするんだな」
「まあ、そうね」
海斗の最寄り駅で下りて暫く歩く
「お母さんはいるの?」
「いないと思うんだよね、今日、俺がメシ要らないから友達と飲みに行くって言ってた」
「薬とかは?」
「わかんない……」
帰りにドラッグストアに寄って薬を買って帰った
ここだよと言われて正面を見ると大きな、お洒落な家だった
まあ両親2人とも仕事は忙しいと言ってたし外食も多いと聞いていたからそこそこ裕福な家庭だとは薄々感じてはいたけど……