まどかはとりあえず顔を引っ込めた
海斗は菜々美と明日の打ち合わせをしていた
「じゃあ、教室の窓と入り口閉めて鍵を職員室に持って行っとくね」
「頼む」
「靴箱にいるから遅くなりそうなら連絡して」
「わかった」
海斗は鞄を持って教室を出ていった
菜々美は席を立ち教室の窓を閉めていく
「えーと、成田さん?」
菜々美は声のほうを振り向いた
「はい……」
「海斗の彼女でいいんだよね」
「……はい、お付き合いさせてもらってます」
言ってもいいんだよね?
「いつ頃から?」
「……えっと、いつだったかな?」
菜々美は考えていた
「覚えてないの?付き合い始めた日
記念日じゃん、私でも海斗と付き合い始めた日覚えてるよ
あっ、私は海斗の元カノの永井まどかです」
「はい、知ってます……ごめんなさい
6月は覚えてるんだけど……
家に帰ったらわかります」
「海斗から?」
菜々美は黙ってしまった
あの日は色々あり過ぎて感情もぐじゃぐじゃだったから正直あんまり記憶がないのだ
全部の初めてが多すぎて何を言ったのか……
海斗くんは付き合おうと言ってくれたけど
この人に言ってもいいものなのかな
もう一度考えた
「多分……」
菜々美はとりあえず濁した
「そんな、海斗がかわいそうじゃん
告白を忘れられるなんてさ、あなた学年トップなんでしょ?」
「一応」
「会って2ヶ月で付き合ったの?早くない?ほんとに付き合ってるの?」
「はい」
「あんたの一目惚れとか?」
「それは違います」
「急すぎでしょ?海斗ってモテるけどそんなに急に行動する方じゃないのに」
それは私に言われてもなーと思いながら黙っていた