「海斗〜どこ行くんだ?」

「委員会」

友達によく会うなぁと思いながら新谷くんを見た

「おー、海斗、女?」

「委員会ー」

「あの、何か凄いね、友達がたくさんで」

「あー、中学の奴らだよ、同中から来てる友達が結構いてさ、ほら、この高校って駅から近いじゃん(笑)」

「まあ、そうね」

「成田さんはチャリ通だろ?」

「えっ?」

私……確か話してないよね

「新谷くんはエスパー?」

「エスパーじゃないよ(笑)えっーと入学式の日かな、スーパーの帰りに自転車に乗ってるのを見かけた」


は、恥ずかしいんだけど……

「あれは……忘れてください」

「えっ?何で?あの日は友達と一駅歩いて帰ったからさ、あの辺なら自転車通学できる距離じゃん?」

「荷物の量も見たんでしょ?普通に恥ずかしいから」

「えーっと背中に長ネギとゴボウが刺さってた!」

新谷くんはアハハッとお腹を押さえて笑うし

「私、帰っていいかな………」

「アハハッ、ダメだよ〜」

まだ笑ってるし、失礼だよもう〜


「じゃあ、絶対に人に話さないで!」


新谷くんの笑い声が急に止まった

あっ、ついきつい言い方しちゃった



「……ごめん」

新谷くんの低い声が聞こえた



「あっ私こそごめんなさい……怒ってる訳じゃなくて、恥ずかしいからなの

だ、だって自転車の両カゴにリュックって主婦みたいでしょ?」

そう言っているうちに視聴覚室に着いて
2人は隣同士に座った