健くんはもう5年生だから児童クラブには入れないから6時間目が終わると家に帰ってくる

家からは小学校は少し遠いし、友達と話しながら帰るから、私の方が早いのだ


琴ちゃんは児童クラブで預かってもらっている

地区や学校にもよるが琴ちゃんらの学校は3年生まで児童クラブに入れる

といっても遅くても7時までにはお迎えにいかなくてはいけない


当然私は部活動はできないのだ

私は運動音痴だから運動部には入るつもりはないけど文化部でも入ってみたかったな〜

なんて考えないこともなかった

ダメダメ……私には早く家に帰ってやることが沢山ある

健くんには鍵はもう持たせてあるし、ちゃんと今日は委員会があることは話した

小学校でも委員会はあるのだからわかってくれるんだけど、やっぱり心配だ

歳の離れた弟と妹は可愛い
お父さんも優しい人で今の生活も上手くいっているのだ


ただお父さんが家にいないだけで……

優しいお父さんは海外のツアーコンダクターだ

だから私がしっかり家を守らなければならない

お母さんが亡くなってからそう思い今まで生きてきていた



「じゃあ、私も委員会に行くね」

明日香は体育委員になっていた

「うん、バイバイ」

さてと……私も行こうと鞄を持ち席を立つと

「成田さん、一緒に行こうか」

新谷くんが声をかけてきた

「あっ、うん」

「視聴覚室だったっけ?」

「そうだよ」


海斗バイバイと友達に声をかけられ教室を出た