でも、逆に言えば揚げ物は外食で食べてるからお店の味にはかなわないんじゃないかなぁ

菜々美はトンカツを作ることにして、下ごしらえを始めた

まだ海斗くんの事は全然知らない

食べ物も何が好きなのか、何が嫌いなのか

揚げるのは帰ってからにして、下準備もOK

琴ちゃんと土手に向かった

「お兄ちゃんー」

琴は補助付きの自転車に乗っていた

海斗は土手をかけあがり自転車を軽々と持って下に下ろしてくれた

「琴ね、練習したいの、もうちょっとなんだよ」

「じゃあ、健はちょっと休憩な」

「うん」

健と菜々美は座って自転車練習を見ていた

「お兄ちゃんに全然敵わない」

「そりゃ、海斗くんは毎日走ってるし、部活も始めたしね
健くんはまだこれからよ
体だってこれから大きくなるよ」

「うん、1人で出来る練習方法を教えてもらった」

「結構、うちの高校のサッカー部って練習きついみたいよ、だから来れないからじゃない?」

「そっか……そういえば僕暑くなってから全然走ってないや……
最初に約束してたのにさ、来なくなってからサボってた」

「だね(笑)」


「見て〜」

琴の声がした

補助輪なしで自転車に乗っていた

菜々美と健は拍手をした

「今度お父さんが帰ってきたらびっくりするよね」

「そうね」

夏休みに入ってから自転車の練習をしてきたけど、最初に転げてから琴ちゃんはすっかりやる気をなくしていた

1日で乗れるようになるなんて……
海斗くんは凄い!

健くんも少しやる気がなくなってるのはわかっていたけど言えなかった