菜々美の家ではインターフォンが鳴る
「あっ、来た」
琴が走っていき、玄関を開けた
「お兄ちゃーん」
飛びついた
「久しぶりだね、琴ちゃん」
「もう〜遊びに来てくれないから琴、寂しかった」
「ごめん、ごめん、部活が忙しくて」
健も玄関に出てきた
「健、今日は夕方サッカーしような」
「うん」
「琴ちゃん、下りないと重たいよ」
「嫌!」
全然いいよと言いながらリビングに行った
「菜々美、今日泊まっていい?宿題がたまってて、わからないとこを教えて」
「いいよ」
「琴ね、今日の音読がまだ……お兄ちゃん聞いてくれる?」
「いいよ」
海斗から離れ国語の教科書を取りに行く
「菜々美はあの大量のプリントは終わったのか?」
「終わったよ」
「さすが(笑)」
「海斗くんが来る日までに2人に宿題を終わらせてと言った手前、自分もやらないとね」
「2人の宿題も見てるんだろ?」
「まあね、でも、趣味がないから夜にできるし」
それからは2人が海斗にべったりだった
お昼も食べて軽くお昼寝をして土手に行くことになった
先に海斗と健くんがサッカーをしに行く
「後で琴ちゃんと行くから」
飲み物とタオルを渡した
その間に琴はテレビを見て、菜々美は洗濯物を畳み、夕食の準備を済ませる
今日は海斗くんの食べたい物を作ることを約束していた
前に電話をしていた時に揚げ物が食べたいと言っていたのだ
海斗くんのお母さんは仕事が忙しいし、料理があまり好きじゃないらしい
揚げ物ははねるし、周りも油が飛ぶから家の揚げ物はほとんど食べたことがないと聞いた