「いや、夜あそびって高校生だって補導されるからな」
「そうなの?知らなかった」
「間違って酒飲んでないよな?」
「うん!楽しくてテンションあがっちゃってる」
「そっか……はぁ…送るよ」
「ため息つくなら送ってくれなくてもいいよ
1人で帰れるもん」
菜々美は海斗の横をスーッと通って歩き出した
「送るのが嫌でため息をついたわけじゃないよ悪かった……行こう」
2人で歩き始める
「初めての打ち上げは楽しかった?」
「うん、楽しかったけど、楽しくなかった」
「どういう事?」
「この間から海斗くんが機嫌が悪いんだもん」
「俺、機嫌が悪い?」
「うん、私のせい?」
「……いや、俺だな、確かにこの間からイラついている俺がいるかも……
なるべく出さないようにはしてるけど」
「わかるよ、琴ちゃんと健くんの話は嬉しそうに聞いてくれてたのに……
でも私が剣也くんの事をかばったからだよね
あの時はごめん、中学校の事なんて私はよく知らないのに……」
「…………」
また黙る……
海斗くんの癖かな
自分でもよくわからないんだよなぁ、何でイラついているのか……
菜々美に返事はせずに海斗は考えていた
道路をバイクが凄いスピードで通り過ぎたと思ったらキキィーと音を立てた
海斗は音のした方向を向くとバイクは転けていた
「危ないなぁ、スピードの出しすぎだよ
カーブを曲がれなかったみたいだな」
菜々美は両耳を押さえて震えていた
「おい、大丈夫か?」
「いや、嫌なの……バイクの倒れる音、嫌ー!」