ん〜今日はいい天気だ


しばらく外を眺めていたが

帰ろ!と窓を閉めた

開いていた教室の全部の窓を閉めていると
廊下からバタバタと走ってくる足音がした

ガラッとドアが開くと1人の男子が入ってきた

「あれ?成田…さん、まだいたの?」

私の名前と顔を知ってる

まあ、新入生代表したからかな

申し訳ないけどあなたの事はわからないですが

何も言わずに軽く頷いた

「俺は新谷海斗だよ、学級委員一緒によろしくな」

あー、後ろ姿の新谷くんか

「あまり出来ないかもしれないけどよろしく」

「え?何で?」

私は後ろを向いて最後の窓を閉めた

「あっ、忘れ物を取りに戻ったんだった」

新谷くんは自分の席の机の中を覗き書類の入った茶封筒を出した

「じゃあね、成田さん」

新谷くんは教室を出ていった
誰かを待たしていたんだろう
急いでる様子だった



さて、1人の時間は終わりだ
菜々美は鞄を持って教室を出た

自転車に乗り家に帰る



「ただいまー」

「おかえり、菜々美ちゃん、今日は行けなくて悪かったね」

「ううん、琴(こと)ちゃんの入学式があったんだから仕方ないよ

高校は親も少なかったし、私の入学式に来たら琴ちゃんと健(けん)くんだけになっちゃうしね」

「でも、新入生代表の挨拶は聞きたかったなぁ」

「恥ずかしいからいいよ(笑)」

私は自分の部屋に上がって行き、制服をハンガーにかけて着替えた