海斗は菜々美をお姫様抱っこして家に入る

「ちょ、ちょっと、下ろして」

「はい、黙ってー、健、姉ちゃんの靴をゆっくり脱がせて
触れると姉ちゃん痛いから」

「わかった」

「お兄ちゃんー、後で琴も抱っこー」

「うん、後でな」

海斗はリビングのソファに菜々美を下ろした

「大人しく座っておくこと!」

海斗は健と琴を台所に呼んだ

琴を抱っこする

「健、姉ちゃんの怪我はひどい」

「転げたの?」

「うん、俺はその場にはいなかったけど
友達を助けて下敷きになったときに変な転け方をしたらしい」

「姉ちゃんて運動神経あまり良くないのに手を出しちゃうんだよな」

海斗は笑いながら健にシャワーの入り方と
食事とトイレもなるべく歩かせないようにと指示を出した

「階段はきついと思うからお姉ちゃんがいる物は持っておりてあげて」

「わかった」

「琴ちゃんはシャワーとトイレについてあげるんだよ」

「は〜い」

「健はごはんは炊けるのか?」

「大丈夫、おかずも昨日のがあるし」

「よし、明日また様子を見にくるから、朝は玄関あけといてな
病院に連れていく」

「お兄ちゃんにそこまでしてもらっていいの?」

健も家庭事情をわかってるんだな

「お兄ちゃんはお姉ちゃんの事が心配なんだよ、何でも自分でしちゃう
それはいい事なんだけど、しんどいときに我慢するのは違うと思うんだ
頼れる人がいたら頼ってもいいと思うからさ」

「う……ん」