「私もきつい言い方してごめんね」


「いや、俺もすぐ拗ねちゃうんだよな
ひとりっ子で甘やかされてきたからさ
ケンカをする相手がいないから拗ねるしかなかったし」

「そうなんだ…でも私もひとりっ子時代は長かったから気持ちはわかるよ」

「でもさ……成田のことをほっとけないのは本当だからマジで頼ってほしいんだよな
俺って頼りない?」

「そんな事はないよ」


嬉しいけどきっと同情だよね
家の事を知ってるから……

菜々美の家についた

「俺の肩持っていいからゆっくり足をつけろよ」

菜々美は海斗につかまりながら自転車から下りる

「痛っ……」

自転車で足が浮いていた為、地面に着くと痛みが走る

「大丈夫か?自転車どこに置けばいい?」

「いいよ、置いておいて」

「だーめ、絶対後で自分で片付けるから(笑)」


読まれてる……

「……倉庫の中にお願いします」


「あっ、お兄ちゃんだー」

自転車を片付けて戻ってくると琴がランドセルを背負ったまま走ってきた

「琴ちゃん、おかえり」

琴の頭をよしよしとなでる

「健くん、迎えに行ってくれたの?」

「迎えと言うかちょっと先生に用事を頼まれて残ってたからもうそのまま児童クラブに寄って一緒に帰ってきた」

「健、正解だ……お姉ちゃん怪我してさ」

「えっ、そうなの?」

「家の鍵開けてくれるか?」

「うん」

菜々美が歩こうとすると海斗に止められた

海斗は菜々美の荷物と自分の荷物を玄関に置き
琴に玄関のドアをめいっぱいひいてもらった

「よっ」

えっ!