「俺はひとりっ子だから兄妹いたらこんな感じなのかな」
海斗くんはひとりっ子なんだ……
「あんまりひとりっ子って感じがしないよね
お兄ちゃんて感じ
下にいるから健くんや琴ちゃんのことを見れるのかと思った」
「結構親は放任主義でさ、自分で動く方だからそう見られることは多いけどな」
「放任主義って例えば?」
「んー、両親が仕事で忙しいから平日の夜とかは1人でいる事も多い……ゲームばっかしてる」
「今度、ゲームもしようよ」
「健くん……」
「いいよ(笑)勝負しようぜ」
暫くして海斗くんは帰っていった
菜々美達1年生は1泊2日の宿泊訓練の行事が行われた
宿泊訓練の2日目、オリエンテーリングの時間になっていた
「私…山なんて登れるかな〜」
太めの朝香が弱気な発言をする
「日焼け止め、もっと塗るべきだったかなぁ」
美容好きの美咲
それをフォローする明日香
何言ってんのよ、前に進めば山でも登れるのなんて話をしていた
日焼け止めは私もちょうだいなんて…
明日香はしっかり者のお姉さんだ
3人の会話を聞きながら私は地図を見ている
昨日の夜に班長会があった
海斗くんと出席して10枚の地図を渡され、班長名を書いて提出するのだ
「ねぇ、どれも似たような感じがするんだけど」
菜々美は勉強は出来るが方向音痴なのだ
「何で?全然違うじゃん」
「地図の見方がいまいちなんだよね」
「まあ、女子は苦手な人多いとは聞くけど……」