琴と手を繋いで土手を歩いて行く

海斗はホッとした

子供に泣かれると困るな……

「あっ、健行くぞーー」

「お願いしまーす」

海斗はボールの蹴り方やリフティングのコツなどを教えていった



暫くして健と休憩をかねて土手に座った

「お兄ちゃんはサッカーはいつからやってるの?」

「小学校の3年生からかな
ちょっと今は怪我してお休み中でさ
そろそろやってみようかなって走りに来た」

「3年生かー、あのね、中学に入ってから部活に入ってやるのは遅いかなぁ」


中学か……


「中学からでも今から自分で練習してたら大丈夫だぞ

中学から初めてボールを蹴るとかはちょっと小さい時からやってる子より下手になるけどな」

嬉しそうな顔をしていた

「僕、頑張る、庭でも練習してるんだ
土日何もなければここに来てお姉ちゃんと蹴ってるけど思い切りは蹴れなくて……

お兄ちゃん上手かったー(笑)」



「お兄ちゃーん」

琴が走ってきた

「はい、ジュースをどうぞ」

ニコッと笑って海斗に渡した

「ありがとう、琴ちゃん」

琴の頭をなでた



菜々美は健の汗を拭いてあげている

「あのね、お兄ちゃんめちゃくちゃ上手くてね
僕もっとお兄ちゃんとやりたい」

「そんな、無理言っちゃだめよ」

「俺でよければ教えるよ」

海斗は琴を抱っこしていた