「亮太も頼むな」
「はい！」
先輩と別れて剣也と帰る
「俺、大丈夫かな、亮太」
「大丈夫だよ、ラスボスに海斗がいると思えば（笑）」
「ゲームかよ（笑）」
新チームになり秋の新人戦が近づいてきていた
明日香はバレー部のキャプテンになっていた
先生の用事でグランドの水飲み場を通ると亮太がいた
「崎山？」
亮太はビクッとして足を隠した
「どうしたの？怪我？」
「……いや、どうもしない」
手と顔を洗う
「俺トイレ……」
立ち去ろうとすると中川に手を掴まれた
「血が出てる」
「このくらい大丈夫だよ」
「マネージャーいるでしょ、手当してもらいなよ」
「大丈夫」
「大丈夫じゃない！」
亮太は座り込んだ
「……明後日の試合に使ってもらえなくなる」
「だからちゃんと手当しないとでしょ？」
亮太は下を向いて黙ってしまった
もう〜！
「ちょっとここで待っててよ、逃げたら怒る」
中川は体育館に入りすぐに出てきた
手には救急箱を持っていた
「とりあえず手当しよ」
「あ、ありがとう」
「全く……何のためにマネージャーがいるのよ…」
ブツブツいいながら手当をしてくれる
「普通はしてもらうけど……」
「わかった、わかった、気持ちはわかるよ」
少し呆れたような口ぶりだったけど、手際よく手当してくれている
「ガーゼを当てて、伸縮性のある包帯とか巻くのよ、わかった？あとサポーターも」
「伸縮性？」
「そう、伸びるタイプあと広い傷テープみたいな……」
亮太はぽかんと見ていた
「怪我したことない？」
「うん、絆創膏以外初めて……」
