試合が再開された

剣也のマークをかいくぐりながら亮太からパスが通る

「イケーー海斗!」

パスが通るが2人のマークがついている

「くそっ」


剣也も亮太から離れて海斗に向かう

「海斗ー、剣也が行ったー
走れーー!」

海斗はフェイントをかけてマークを外した



ゴーーール!


キャーやったー!!

1組の応援は盛り上がっていた

海斗は応援の方に向かって1と指を指した


「すげぇ、海斗」
「やっと点はいったー」

菜々美は明日香に抱きついていた

「あと5分守るぞ!」

亮太がクラスメイトにゲキをとばす


海斗は剣也のマークについた


「亮太じゃねーのかよ(笑)」

「こっからはいかせねぇ、菜々美も渡さない」



ピピーと終了の笛が鳴った

剣也は座り込んだ

また…海斗に負けた

ハァハァ…海斗にはかなわねぇや


海斗は剣也の背中をポンと叩いてクラスメイトの方へ走っていった


「お疲れさん、剣也」

剣也のクラスメイトが手を伸ばして立たせてくれた

「ごめん、勝てなかった」

「いい試合だった、剣也かっこよかったぜ」

馴染めなかったクラスメイトと仲良くなれた瞬間だった




1組は海斗の人差し指を上げたのを真似して男子達は軽くジャンプしていた

周りで女子達が拍手をしていた

海斗達サッカーに出場していたクラスメイトは順番にハイタッチしていく

海斗も最後菜々美の前に立った


「海斗くん……かっこよかった…ぐすっ」

海斗は両手を広げた

「菜々美…おいで」


菜々美は海斗に抱きついた


「ありがとう…好き…」