「菜々美〜、おーい」


返事がない

「上がるぞー」

洗濯でも干してんのかな

ブォーっとドライヤーの音が聞こえた

お風呂場のあるドアを開けるとバスタオルを巻いたままの菜々美の姿が目に入ってきた


「あっ、海斗くん」

「いた!昨日返信ないから寝込んでるのかと思ってさ」

「ごめん、昨日帰ってそのままリビングで寝ちゃってて……朝電話したんだけど」

海斗はズボンから携帯を出して見た


「走ったりトレーニングしてたから気づかなかった」

「ちょっと待ってて、着替えてくるから」

菜々美は風呂場から出て2階にあがっていく


その後ろから海斗もついていく

「えっ?何?」

「何って……そんな格好みたら我慢できない」

えーっと……

そのまま菜々美はベッドに押し倒された



……まあ、そうなるよね、いつも健くんと琴ちゃんがいる時は泊まってもシナイしね




昼過ぎまでベッドでゆっくり過ごした

「ねぇ」

「ん?」

「昨日お母さん、何か言ってた?」

「綺麗な子ねって(笑)大人っぽいとも言ってたな」

「遠回りだったのにごめんね」

「いや、紹介したかったし」


そうだったんだ……



夕方からの練習前に軽く菜々美がおにぎりを作ってくれて食べ、海斗は練習に出かけた