「大丈夫、別れてないよ」
海斗は立ち上がり健の頭をなでて、台所へ行った
「コーヒーでいい?」
「うん」
「お兄ちゃん、春休み遊べないの?」
「うーん、そのことをお姉ちゃんと話そうと思って来たんだ
琴ちゃん、お姉ちゃんを少し借りていい?」
「うん、お話をするのね、いいよ」
琴は台所のドアを閉めてリビングに行った
コーヒーを海斗の前に置く
「ごめんなさい、練習の邪魔しちゃって
中断させちゃって反省してる
見に行くんじゃなかった」
「いや、まさか、菜々美が来るとは思わなかったからさ、びっくりしただけ
2人に何かあったのかと思っただけ
元気ならよかった」
「ごめんなさい……あの剣也くんに帰りに会ってね、海斗くんを見に来てる子がいるって聞いて……
買い物に出たからちょっとだけ見たくて行ってしまったの」
「俺を?………
あー、美術部の1つ上の先輩のことかな
何か、俺のサッカーをしてるとこが描きたいって言われて」
「美術部?」
「何かフォームがデザイン的に気に入ったらしくて、遠くから描かせて欲しいって前に言われて……
俺はだからいつ、どこで見てるのかはわからないんだよな(笑)」
「それは前に呼び出された時?」
「あっ、そうそう、あれ?言ってなかったっけ」
「聞いてないし、聞けなかった」
「すぐ忘れるから聞いてもよかったのに、彼女なんだから」
「告白されたのかと思ったから……」
ふぅっと息を吐いた
よかったぁ