もう地上へ降りてから、半月以上が過ぎていた。
これまで、陸がくれたお菓子とジュース以外は何も口にしていない。人間はおろか小動物さえ。
だから普通より消耗が早いのかもしれない。
突然、草の上に投げ出している足に、何かふわりとしたものが触れた。半身を起こしてみると、そこには一匹の猫が擦り寄っていた。
茶トラで四つ足の先が白い猫。何処かの飼い猫か野良猫か。こっちへおいで、と手を出すと今度はその手に頭をこすり付け始めた。
「お前も、一人ぼっちなの……?」
そう問いかけると、にゃーんと返事をするように鳴く。
――――一瞬、捕まえて食べてしまおうかと思った。こんな小さな猫でも、食べれば一時的にも体力は少し戻るだろう。そうすれば、もう少し移動してもっと大きな何かを食べる事が出来るかもしれない。
人間を、食べる事が出来るかもしれない……
にゃーん、ともう一度猫が鳴いた。ハッと我に返り、少し申し訳ない気持ちで猫を撫でた。
「大丈夫、お前を食べたりしないよ……」
バカだ……私、バカみたいだ。猫なんて食べても仕方ないのに。だって私はもう、食べないって決めたんだ。
これまで、陸がくれたお菓子とジュース以外は何も口にしていない。人間はおろか小動物さえ。
だから普通より消耗が早いのかもしれない。
突然、草の上に投げ出している足に、何かふわりとしたものが触れた。半身を起こしてみると、そこには一匹の猫が擦り寄っていた。
茶トラで四つ足の先が白い猫。何処かの飼い猫か野良猫か。こっちへおいで、と手を出すと今度はその手に頭をこすり付け始めた。
「お前も、一人ぼっちなの……?」
そう問いかけると、にゃーんと返事をするように鳴く。
――――一瞬、捕まえて食べてしまおうかと思った。こんな小さな猫でも、食べれば一時的にも体力は少し戻るだろう。そうすれば、もう少し移動してもっと大きな何かを食べる事が出来るかもしれない。
人間を、食べる事が出来るかもしれない……
にゃーん、ともう一度猫が鳴いた。ハッと我に返り、少し申し訳ない気持ちで猫を撫でた。
「大丈夫、お前を食べたりしないよ……」
バカだ……私、バカみたいだ。猫なんて食べても仕方ないのに。だって私はもう、食べないって決めたんだ。