「……あの後、勇樹は大丈夫だった?」


 思い切ってこちらから話し掛けても陸は振り向かない。視線を反らしうつ向いたまま、ボソリと答えた。


「……気絶してたけど、兎月たちが居なくなった後すぐ気がついて……怪我はしてなかった……でも、熱を出してるみたいでずっと学校休んでる…………」

「そう……」

「……そっちの……美兎は、どうなった……?」

「死んじゃった……」

「え……っ?!」


 陸はやっとこちらを向いてくれた。でも驚いて大きな声を出したせいか、側を歩いていた他の人間たちの視線も集めてしまった。


「ちょっ……! 陸、声大きいよ」

「あ、ごめん……でも、死んだって……どういう事?」

「ここでは、ちょっと……」


 学校の門の近くだから、陸と同じ生徒が道を行き来している。それにさっきの彼の大声で注目も集めてしまったみたいだし。

 だから私と陸は洋館へ行くことにした。