ゾッとした。背筋に美兎の孤独がヒヤリと冷たく走った気がした。


「だ、大丈夫。私も一人、見つけたから」

「そうなの? あんた、ぼんやりしているように見えるけど、意外と素早いのね」


 美兎の嫌味を聞き流し、私は陸の事を考えていた。

 いつも美味しいお土産を持って来てくれて、私より背が高くて強そうだけど優しくて。脳裏に陸の、はにかんだ笑顔が浮かんだ。

 今は毎日、今日は来てくれるかなって思うようになってしまった。

 そんな彼を、私は食べる事が出来るのだろうか……


「じゃあ、あんたもサッサと誘い出して食べちゃえば? そうすれば一緒に帰れるでしょ」

「う、うん……今度、一緒に動物園へ行く事になってるんだけど……」

「え! 動物園?! そこにあたしも行くんだけど!」

「ええ?! そうなの?!」


 私と美兎はお互い顔を見合わせた。もしかして――――