今日は雲の流れるスピードが速い。
ずっとこのままでいいのに。
遅くなんてならなくていいのに。
雲のない空に都会の喧騒は似合わない。
曇って、下を向いてくぐもって、
一点を見つめて早足で歩く。
チラッと溢れ見える青空に憧れをいだきながら、
また下を向く。足早に駅へ、会社へ、冥界へ、歩いてゆく。
それを普通と思い込ませて暮れればいい。
日本晴れを見なくてもいい。
時折見える清々しい青だけでいい。
怪しい雲行き。
明日は雲が無いかもしれない。