「…俺の好きな人は、俺のために長かった髪をばっさり切ってしまうくらい行動力があって、自分のことより俺の気持ちを優先してくれて、顔が赤くなったり、青ざめたり…喜怒哀楽がはっきりしている面白くて優しい女の子」
最後に「あとは、健気で可愛らしい子」と付け足す。
再度、ドクンッ…と心臓が音を立て、徐々に鼓動が速くなっていく。
「俺、遠坂さんに話があるからどっか行ってくんない?邪魔なんだけど」
「えっ、あの、七瀬く───」
「聞こえなかった?"失せろ"って言ったんだけど」
七瀬くんの素っ気なく、冷たい声に岡田さんはビクッと反応する。
「言っとくけど、もし遠坂さんに仕返しするためにいじめるってなるなら俺が許さないから。そんなことしたらきみのその腐った性格と言動、SNS上に晒してやってもいいんだからね?」
七瀬くんはスマホを取り出し、画面をタップすると…。
《だからぁ、彼氏いないって言ってんの。1回、七瀬くんに男と一緒にいるとこ───…》
《ただ付き合うだけの男とヤるだけの男。それぞれ必要でしょ》
録音された音声がスマホから聞こえ、岡田さんの顔が青ざめていく。