「あんた、何の経験も無さそうだから教えてあげるけど、女は見た目が全てよ。可愛くて、綺麗で、スタイルが良くないと男なんて誰も振り向きやしないわ。そんな正反対な女がこの世に存在してみなさいよ。興奮なんてするわけないし、ヤりたいとも思わないわ!!」
「顔もスタイルも重要かもしれないけど、私はっ…好きな人にだけ"かわいい"とか、"綺麗"とか言ってもらう方が良い!!周りにチヤホヤされて気分が良くなるより、片想いの人にだけときめいてもらう方がよっぽど嬉しい!!」
岡田さんの眉間のしわが深くなり、鬼のような目で私を睨みつける。
「冴えない女が偉そうなこと言ってんじゃないわよ!!対して美人でもないくせに……自分の顔、鏡見てから言いなよね!!」
「そんなのわかってる!!」
岡田さんを押しのけ、キッと睨み返す。
「岡田さんに言われなくてもわかってるよ!!
こんな、平々凡々な人間があの人の隣に並ぶ資格はないし……寧ろ釣り合ってないことくらいわかってる!!」
自分が好きだと思っていても、相手も自分のことを好きになってもらわないと意味がない。
片想いって、楽しい時もあれば苦しい時もある。
可能性のない恋をするのは、こんなにも辛いんだね。
でもさ、好きな人に"かわいい"って言ってもらうために頑張ることって、いけないことなのかな。