「…岡田さん、彼氏いるんでしょ?恋人がいるのに他の人を好きになるなんて……」
「はあ?あんたさ、なんか勘違いしてない?あたし、彼氏なんていないけど」
「えっ…どういうこと…?」
面倒くさそうな表情を浮かべる岡田さんは、はぁ〜…と大きなため息をついた。
「だからぁ、彼氏いないって言ってんの。1回、七瀬くんに男と一緒にいるとこ見られたことあるから彼氏がいるって勘違いされたけど、彼氏じゃなくてセフレだし」
ドクンッ、と心臓が大きく音を立てる。
「…体関係で繋がってる人がいるにも関わらず、七瀬くんと付き合おうとしたの?」
「そうだけど?つーか、普通じゃない?ただ付き合うだけの男とヤるだけの男。それぞれ必要でしょ」
平然とした態度で答える岡田さんに怒りが込み上げてきて。
「やめてよ!!七瀬くんを利用するのが目的で近づくなんて…!!最低すぎる!!」
気がつけば、大声を上げてそう言っていた。
「…あんた何様?」
勢いよく胸ぐらを掴まれ、見下ろされる状態になる。