「…つーか、ありえなくない?なんであたしよりあんたみたいな子が七瀬くんの相手にされるわけ?こんな地味で、平均的な体型で、目立たなそうなあんたがどんな色目使ったのか知らないけどさ。その見た目で七瀬くんに付きまとうとか、すっごい痛いよ?」
岡田さんはフッと鼻で笑い、胸元まである長い髪を片手で払う。
それに対して、馬鹿にするような目で嘲笑う岡田さんにムッとする。
確かに私は岡田さんと比べると地味だし、スタイルだって良い方じゃないし、存在感もない。
でも、彼女は振られたのに何故、今更七瀬くんのことを話しているのだろう。
「七瀬くんも七瀬くんだよね。何の努力もしていない女子を選ぶなんてどうかしてるわ」
何を、言ってるの?
「…岡田さんの言う通り、私はまだまだ努力が足りてないよ。でも私、七瀬くんとは付き合ってないし…ただの友達だよ」
「じゃあさ、友達として好きならこれ以上七瀬くんに近づかないでよ。遠坂さんみたいな子が横にいると七瀬くんが可哀想」
「…な、何で岡田さんにそこまで言われなきゃならないの?もしかして岡田さん、まだ七瀬くんのこと好きなの?」
「当たり前じゃん」
険しい目つきで睨まれ、気が引けそうになった。
だが、目を逸らせば負けると思った私は、ぐっと堪えるように見つめ返す。