「…俺も髪染めようかな」
「え?なんでですか?」
「俺も髪染めて凄いって思ってもらいたい」
「…そうなんですね。でも、黒髪の七瀬くんがもう見れないと思うと寂しくなりますね…」
「なんで?」
「いや…私、茶髪とかより黒髪の方が好きなので」
元々、私の髪が明るめの茶色だから黒髪に憧れてるっていうのもあるんだけれど。
「じゃあこのままにする」
「あ、そ、そうですか…」
「「……」」
またもや私たちの間に沈黙が流れ、何か盛り上がるような話題を探す。
すると数秒後、七瀬くんが口を開く。
「遠坂さん」
「は、はい」
「中条くんとは仲良くしないで」
「…はい?」
不機嫌そうな表情をする七瀬くんは私の目を見ながらそう言った。
「急に何を……ってゆーか、中条くんとはそこまで親しい関係じゃないって以前言いましたよね?あの人は誰とでもフレンドリーなだけで、友達って程の仲ではありません!」
「なら、話しかけられたら無視して」
「いや、同じクラスなんだから無理に決まってるじゃないですか!」
「じゃあ、中条くんに俺と遠坂さんの方が仲良いってこと分からせたいからこれからは俺のこと下の名前で呼んでよ」
「え、はあっ…!?」
詰め寄ってくる七瀬くんの発言に大きな声を出してしまう。