「そういえば、中条くんとはいつから知り合いなの?」
「…えっと、中学が一緒だったんです!まあ、3年間同じクラスにはなったことないんですけどね」
「…ふーん。でも今クラス一緒だよね」
「今年は同じクラスになりましたね」
「…へー」
七瀬くんの声色が少しだけ暗くなったような気がした。
「中学の頃も今日みたいに中条くんと喋ったりしてたの?」
「いえ、1回も話したことなかったですね。私、目立たないタイプの人間だったので廊下で見かけるくらいでした」
「…そうなんだ」
しーん…と静まり返り、気まずい空気が流れる。
何か話題はないかと考え、窓の外に目を向ける。
「…あっ!!七瀬くん、見てください!!校門前に絢ちゃんと絢ちゃんの彼氏さんがいますよ!!」
「…あの人がきみの友達の彼氏?」
「はい!星川くんと言ってですね、バスケ部の副キャプテンになられたそうですよ!」
「ふーん。遠坂さんはその人と会ったことあるの?」
「いえ、写真でしか見たことなかったので、実際話したことはないですね」
「ふーん」
…七瀬くん、さっきから『ふーん』しか言わないんだけど。
言葉のキャッチボールとは?