「ライン、交換しようよ」
「えっ…」
一瞬、耳を疑った。
七瀬くん、今『ライン、交換しようよ』って言った?
「そういえば遠坂さんの連絡先知らないと思って……」
「…わ、私なんかが交換してもいいんですか!?」
「…? うん、いいよ」
七瀬くんの返事に即OKした私はスマホを取り出し、QRコードを読み取った。
そして新しい友達に七瀬くんの名前が表示され、嬉しさが頂点に達する。
「ありがとうございます!私、今とても幸せです!」
「ライン交換しただけなのに?」
「はい!好きな人とラインするの、ずっと憧れだったんです」
頬を紅潮させ、照れ笑いをしながら答える。
七瀬くんは「そっか…」と言った後、ぽんっと自分の手を私の頭に乗せた。
「え、なっ、おえっ…?ど、どう、どうしたんですか?」
「…あ、ごめん。遠坂さんが可愛らしいと思ってつい…」
「か、かわっ…!?」
突然何を言い出すんだ、この男…!!
先程まで熱かった体がやっと冷めてきたというのに、彼の言葉で再度体温が上昇していく。