「あっ、遠坂さんとあやちゃんさん」
ある日の放課後。
校門前で絢ちゃんの彼氏さん(他校の人)が絢ちゃんを迎えに来るまで一緒に待っていた時、今から帰るのであろう、七瀬くんが私たちに気づいた。
「七瀬くんじゃん。今から帰り?よかったらウチらとどっか寄ってかない?」
「え、ちょっ…絢ちゃん?」
以前、七瀬くんと放課後デート(?)のことや口が滑って本人に告白してしまったこと、改めて彼と友達になったことなどなど。
七瀬くんと私の関係について絢ちゃんに全て話した。
話し終わった後の絢ちゃんは目をまん丸にして、今にも顎が外れそうなくらい口をあんぐりと開けていた。
そして第一声が
『なんじゃそりゃっ!!??』
まあ、そうなるよね。
片想いしていた相手に呼び出されるとおめでたい雰囲気だと思っちゃうもんね。
「絢ちゃん、急に誘っちゃ迷惑だよ。七瀬くんだって用事あるかもしれないし……」
「いーよ」
「ほら、七瀬くんもこう言って───…って、ええっ!?いいんですかっ!?」
「うん」
無表情の七瀬くんとは反対にニカッと満面の笑みを見せる絢ちゃん。