「…目死んでますよ」
「元々こーゆー目だから大丈夫」
それにしても、何故胸キュン講座?
唐突すぎやしないか?
「えーっと、うーんと、そうですね……胸キュンといえば…て、手を繋ぐ、とか?」
「こう?」
半ば適当に言ったことを七瀬くんが実行し始める。
「んー…あんまりドキドキしないね」
「ソウデスネ……」
手を握られたと同時に体温も上昇していく。
「すっごい顔真っ赤じゃん。本当に俺のこと好きなんだね」
「いや、七瀬くんがいきなり……」
手を振り解こうとしても一向に離してくれる気配がなく、逆にぎゅっと強く握られる。
「は、離してください…!!」
「面白いからやだ」
「んなっ…!?」
意地悪な笑みを浮かべる七瀬くんと目が合って更に体温が熱くなっていく。
「遠坂さん、赤べこみたいな顔してるね」
「…私は牛じゃないですっ!」
「例えだよ」
その後、私たちはタピオカミルクティーを頼み、近くにあったベンチで飲むことに。
初めてのタピオカにドキドキしながらストローに口をつける。