「遠坂さんがOKしてくれたことだし、今から寄り道でもする?」

「え、よ、寄り道…ですか?」

「そーだよ」

「それって…デート、ですか?」

「デート…?そもそも付き合ってないし、俺たちは友達でしょ?」

「……あ、はい。そうでしたね」


わかってたけども。

ちょっと嬉しいなって思ってたけども。

好きな人と放課後寄り道なんて気分上がっちゃうじゃん。

デートだって思っちゃうじゃん。


───…なんて、そう考えてしまうのは私だけであって。


七瀬くんは友達と遊びに行く感覚のようだ。


「…っ、七瀬くん、デートしますよ!!」

「いや、だからデートじゃな───」

「私は!デートだと思って行くので!!」


そう言い切ってスタスタと七瀬くんより先に歩き出す。


私だけでもデート気分を味わってやるんだから。